雑誌の店頭発売も終わったので、ニューズウィークに掲載頂いたインタビュー全文をUP。
(現在、弊社インターン希望の学生の皆様に起業の経緯などを知って頂き、何かを感じて頂ければと)

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ニューズウィーク(日本語版)2013年6月号 急成長企業代表者インタビュー

アブラハム・プライベートバンク株式会社 代表取締役 
高岡壮一郎
新しいビジネスモデルで日本を輝かせる



現在躍進中の経営者、高岡壮一郎。かつて大手総合商社のサラリーマンだった高岡は現在、アブラハム・グループの代表を務めている。アブラハム・グループ・ホールディングス株式会社は、デトロイト・トウシュ・トーマツが選ぶ急成長企業ランキングに2年連続入賞(2011、2012年)するなど、成長著しい企業だ。

高岡は東大卒業後にまず三井物産株式会社に入社、海外投資を審査する部署に在籍した。そして2005年、マンションの一室からアブラハム・グループ・ホールディングス株式会社をスタート。

「この当時に感じたのは、インターネットの登場やボーダレス経済の流れの中で、世界的にサプライヤーエージェント(生産側の代理人)から、バイヤーズエージェント(購入者側の代理人)へのシフトが進行しているということでした」

モノが普及しておらず、選択の余地がなかった高度成長期には、総合商社のようなサプライヤーエージェント型企業が社会に影響力をもった。しかし、現在のような成熟した社会では、グーグルのようなバイヤーズエイジェント型企業が消費者の意思決定をサポートすることで社会をけん引している。高岡もそういった「個人の意思決定に役立つ情報を提供する会社」を志向して、会社を立ち上げたのだ。

社会を閉塞させている年金問題に挑む

アブラハム・グループは、富裕層向けサービスの運営を主なビジネスとしてきた。会員総資産1兆円を集めて国内ナンバー1になった「YUCASEE(ゆかし)」、さらに海外投資コンサルティングの「ゆかしスタイル」で会社は順調に実績を上げることに成功。しかし、そんな中、高岡の想いを揺るがす出来事が起きた。

それは2012年5月のことだった。高岡はすでに大手企業で重要なポジションについている大学時代の友人たちと酒を酌み交わす機会を得た。昔話に花を咲かせたが、将来の話になると「自分たちは年金をちゃんともらえるのか」と誰もが不安に思っていた。

年金はそもそも日本人の寿命が65歳であることを前提に制度設計されたもの。それなのに平均寿命が延びた。退職後も20年生きるとした場合、あるデータでは夫婦2人で1億円必要とされている。しかし、高岡と同世代の多くの人にとって、1億円用意するのはむずかしい。社会に閉塞感が漂っているのは、30〜40代の人々が老後に対する不安に苛まれているからではないか。高岡はそのとき、「これはなんとかしないと、本当に日本はまずいことになる」と直感した。

「いつかはゆかし」が動き出した

自分で1億円の年金を積み立てる――。

そんな壮大なプランを30〜40代のために考案した高岡。月5万円の積み立てを30年続けることで、1億円を手にすることができるとするものだ。一見するとむずかしそうなこのプランだが、月額5万円を年率10%で複利運用した場合は30年後に1億円を超える計算となる。

とはいえ、年率10%を超える金融商品を見つけ、さらに長期間その実績を維持することができるのだろうか?

高岡にとって、ここで役立ったことがある。「YUCASEE」および「ゆかしスタイル」で培ったノウハウだ。富裕層会員のために有益な情報を得るため、海外を回っていた高岡は、あることに気付いた。

それは、海外にはウォーレン・バフェットやジョージ・ソロスほど有名ではなくても、優秀なファンドマネージャーがたくさんいるということ。世界中のあまたある金融商品の中からトップランクのものを選び出し、長期的に信託するために、欧米では投資助言という形が主流であると知ったのだ。

高岡は、投資助言のノウハウを用いることで、自分年金1億円積立サービスを実現できると考えた。

こうして誕生したのが日本初の自分年金支援サービス「いつかは ゆかし」である。2012年10月にサービスを開始してから、累計投資助言契約額が745億円(2013年2月)に達するほどの反響があり、現在もハイペースで顧客数を伸ばし続けている。

「日本は、金融リテラシーが8カ国中最下位だという調査会社の結果もあります。その向上のために、一人でも多くの人に海外投資の知識を身につけてもらう手助けをしていきます」

国内の問題の解決に対してグローバルな視点を持ち込み、日本初となるサービスを開始したアブラハム・グループ。世界に挑む個人投資家を増やし、彼らを後押しすることによって、日本社会を変えることができるだろうか。

高岡の挑戦は続く。
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